4 その移動はバスである。…実は英士、人生生まれてこのかたバスに乗ったことがない。そのため全てを涼に教えてもらいながら乗ることになった。 「向かいあってる…」 『はい。いろんな人と触れ合えて楽しいですよっ』 「いろんな人…?」 怪しい単語。まさか痴漢とかじゃ…!!と思っていても涼はそれをことごとく裏切る。 『お婆ちゃんとかお爺ちゃんがお菓子とかくれるんですよー』 「………あ、そう…」 (年寄りか…) 変な人に手を出されてなくてよかったと思ったのと同時に、誰とでも仲良くなる涼が凄いと思った。もし自分なら関わろうともしないし、席を譲ろうとかそういうことも思わないだろう。 そして2人がバスに揺られながらついた場所はいわゆるファーストフード店。実はこれも英士の初体験となるのだ。 「これがハンバーガー…」 『はい。そのままパクって食べるんです!』 まずは見本とばかりに小さな口を出来るだけ大きく開けて一口食べた。その姿に萌えながらも英士も一口食べてみる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |