[携帯モード] [URL送信]
春休み
日によってまだまだ寒い3月下旬。冬休みに一回寄ったきりの懐かしい我が家の前に涼は立っていた。


『っ…た、ただいまーっ!!』

「お帰り涼ちゃーんっ!!会い゙たがっだよー」


大きな声で挨拶をしながら中に入ると、力強くパパに抱きしめられた。その瞬間感極まってパパは泣いてしまったが、それにつられて涼もグズグズと泣き始めてしまう。


『やっと…ぅぅ……会えたーっ!』

「もう離さないからなぁっ」

「………いい加減にしなさい。何度近所迷惑だっていえば分かるの?」

『ママッ!それに十夜もっ』


あきれた声のする方を見てみるとママと十夜が立っていた。涼はパパの腕から抜け出し、2人に抱きつく。それを受け止め、2人でお帰りというと涼は笑顔でただいまと返した。


『うぅ…十夜は一年振りだねっ』

「冬休み帰って来なかったお前が悪いんだろ」

『なっ……こら!お兄ちゃんでしょっ!?』

「るせっ」


涼とは違い口の悪い十夜。未だにお兄ちゃんと呼んでくれないことに腹をたてながら、涼はパパのもとへと戻っていった。

[次へ#]

1/54ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!