春休み
日によってまだまだ寒い3月下旬。冬休みに一回寄ったきりの懐かしい我が家の前に涼は立っていた。
『っ…た、ただいまーっ!!』
「お帰り涼ちゃーんっ!!会い゙たがっだよー」
大きな声で挨拶をしながら中に入ると、力強くパパに抱きしめられた。その瞬間感極まってパパは泣いてしまったが、それにつられて涼もグズグズと泣き始めてしまう。
『やっと…ぅぅ……会えたーっ!』
「もう離さないからなぁっ」
「………いい加減にしなさい。何度近所迷惑だっていえば分かるの?」
『ママッ!それに十夜もっ』
あきれた声のする方を見てみるとママと十夜が立っていた。涼はパパの腕から抜け出し、2人に抱きつく。それを受け止め、2人でお帰りというと涼は笑顔でただいまと返した。
『うぅ…十夜は一年振りだねっ』
「冬休み帰って来なかったお前が悪いんだろ」
『なっ……こら!お兄ちゃんでしょっ!?』
「るせっ」
涼とは違い口の悪い十夜。未だにお兄ちゃんと呼んでくれないことに腹をたてながら、涼はパパのもとへと戻っていった。
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