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最後の日、涼は門まで見送り、最後の挨拶をしていた。いくら会えると言っても毎日なんて無理な話。元太にいたっては場所が離れすぎている。

「電話するさかい…ね?」

『はい…お元気で』

「浅見君も」

まずは元太がこの学園を去っていく。それをみんなで見送り、次は香だ。迎えの車がもうそこで待っている。

「涼…お前に会えて本当によかった」

『僕も、色々とご迷惑を…』

「いい。それも今となってはいい思い出だ」

『遊びにきて下さいね?』

「もちろんだ。…体には気をつけるんだぞ」

『はい。ありがとうございました…っ』

最後に一回ぎゅっと抱き合って香は他の人と挨拶をして行ってしまった。残るは竜也。すでに海たちとの別れは済んでいる。

『うぅっ…たっちゃんも元気でね?』

「涼もな。もしさ…またパニック起こしたらそんときは助けてくれるか?」

『もちろんだよ!!僕がちゃんと止めるから』

「ははっ頼もしいな。なら…安心だ」

ふっ…と悲しそうな顔を一瞬見せたがすぐに笑顔になり、竜也は元気よく手を振りながら去っていった。


出会いがあれば別れもあるもの。楽しいことがあればツラいこともある。それを今身を持って実感した涼は涙をぐっと堪え、みんなと寮へ戻っていった…。



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