[携帯モード] [URL送信]

流れ落ちる涙をぐっとこらえ、涼はみんなに笑顔を向けた。そしてその日はそのまま部屋に帰ることになったのだが、寮に行くまでは凄いことになっていた。

香と元太の親衛隊が出待ちをしていたのだ。いつもならシカトをして行くのだが、今日は特別である。渡されるものを全て受け取っていた。

「っ…香様!」

「……?」

「卒業おめでとうございます。…色々ご迷惑をおかけしました」

そういって花を渡してきたのは真央だ。久しぶりにみる彼に香は意外そうな顔をした。

「僕、香様と浅見君に会えて良かったです。人を好きになる気持ちも知れましたし、彼のおかげで香様は笑うようになってくれました」

「笑う…」

「はい。残り一年ですが香様のために彼を見守ろうと思います。……お元気で」

「ああ、ありがとう」

今まで真央に向けることのなかった笑顔。それを最後に見せ、香は歩き続ける。すると次に近づいてきたのはみずきだった。英士の前までいき、引き連れてきた男と一緒に頭を下げる。

[*前へ][次へ#]

6/13ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!