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卒業
冬の風から春の風に変わりつつある3月。涼たちが入学してからもうすぐ一年が経とうとしていた。

『寂しいな…』

香「休みの日とか会えるだろう」

もうすぐ卒業式。3年との別れが寂しく、涼は毎日のように落ち込んでは復活しての繰り返しだ。

その様子をみて香と元太は卒業することに後ろめたさを感じた。でもこれはどうにもならないことであり、仕方のないことなのだ。

「大丈夫だって。また会えるから」

竜也が慰めるようにいう。が、その言葉はどこか自分に言い聞かせてる感じがする。…他のみんなはそのことに気づいてないが。


そんな日々がしばらく続き、とうとうその日がやってきた。ただ卒業といっても一年が終わるまで2週間近くあるので、学校に出てこないだけでまだいるのだが。

それでも今日が見納めとなるだろう。すでに泣いている人もいるし、まさかの久も制服を着て学校にきている。

「これより卒業式を始めます」

静かな拍手に乗って3年が入場してくる。そこら中から鼻を啜る音が聞こえ、中には最後に触ろうと入場中の3年に飛び付こうとする人もいた。

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あきゅろす。
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