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こんなことができる涼にみんなが驚いていると、さらに危なっかしい行動をする。チョコ片手に久の膝に座ったのだ。膝を跨いで向かい合わせになるように。

『早くしてください…チョコが溶けて来ちゃいました』

「っ………」

眉を八の字に垂らして悲しそうにいう涼に、どこか諦めのついた久。頭をポリポリと掻いてから涼の指ごとチョコを食べた。

『ひゃっ!?や…手まで食べなっ…いで下さいっ!』

「………………」

─ペロッチュク…

『やぁあ…くすぐった…ぁ…ん、んぅ///』

「……浅見が悪い」

ペロペロと指を舐める久。そのくすぐったさに涼は身をよじり、顔を赤くしながら自分の席へと戻っていった。みんなはその様子をただ見守ることしかできず、悔しそうな顔をしていた。

…が、それよりもひどかったのが他の生徒だ。涼ファンは喰われると嘆いていたし、人前に滅多に現れない久が、ノンケといわれていた久があんなことをしたとあって歓声も罵声も凄かった。

それがうざかったのか久はもう一つチョコを食べてどこかに行ってしまう。残された涼はその余ったチョコを見ながら少し微笑んでいた。

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あきゅろす。
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