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『大地先輩っ』
「ん?どうかした?」
『お背中、流します!』
「……………えぇっ!?」
大地が体を洗いに入るとタイミングを見計らったかのように涼がこう言ってきた。ただ背中を流してもらうだけなのに、大地は顔を真っ赤にして俯いてしまう。
それをOKサインととった涼は大地からタオルを奪い、勝手に洗い始めた。
『ゴシゴシゴーシッ♪綺麗な背中ですねー』
「え、あ、そうかな?ありがとう」
『へへっ。痛くないですか?』
「うん。もう少し強くても大丈夫だよ」
『はーい』
そういって涼の手に力が入る。だけどそれでも普通の人に比べればまだまだ弱い。くすぐったさを感じるそれに耐えながら、大地はされるがままになっていた。
そして大地が洗い終わったら次は涼の番だ。小さくて白い肌に戸惑いながら優しく洗っていく。
「どう?強くない?」
『はい、大丈夫です』
ニコニコと2人で笑い合う姿は微笑ましい。これが他の人との差なのだろう。そして洗い終わった彼らは再びお湯へ浸かった。いろんな話をしていると時間が過ぎるのを忘れてしまう。
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