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『わぁー広ーいっ!!』
「涼君!走っちゃダメだって…」
『はーい』
そう返事をしながらも走って浴槽へ向かう涼。初めて入った学園の大浴場は、その名にふさわしいほど大きかった。
たかが高校生のために、といいたくなるそこは何種類ものお風呂がある。まずは普通に大きな浴槽。所々に泡がボコボコ出ている。
他には寝て入るタイプがいくつか、強烈なジャグジーがいくつか、電気風呂が一つ。洗い場も混まないようにと100人分くらい用意され、道具も設置されている。
まぁ生徒がたくさんいるんだから仕方ないといえばそれで終わりなのだが、ここでは暗黙のルールがあるため、ここまでの広さは少々無駄に終わってるが。
暗黙のルール…それは人が入る時間帯だ。所謂タチはこの時間、ネコはこの時間と決まっているため混むことは滅多にない。本当に無駄な広さだ。
『大地先輩!ポコポコ出てて体が浮いちゃいますっ』
「あはは、涼君は軽いからね」
『うぅ…でも大地先輩も痩せてますよね』
「うわぁ!?りょ、涼君っ…」
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