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「授業の前に1つ、明後日は身体測定だからな。運動着忘れないように」
『身体測定かぁ…背、伸びてるかな?』
その声は結構大きく、クラスのみんなが振り返り心の中で言うのだ。そのままでいて下さい、と。
だがそんなことを知るはずのない涼、そして南までもが真剣に祈っていた。
『ね、京ちゃん迎えに行こ?』
そして放課後、涼が京一を迎えに行こうと竜也たちを誘った。だが…、
「ごめん涼!!俺さぁ…ちょっと部活のほう見てみたいんだよねー」
「俺も。見てみたい部があるんだ」
『そっかぁ…。たっちゃんは?』
「俺?悪いな、今日病院に行かなきゃいけねぇんだ」
『びょー…いん?えっ!?たっちゃんどこか具合悪いの?』
「いや、お見舞いだよ」
『そっか。なら僕1人で行くね。またねーっ』
言うが否や、涼はあっという間にこの場を立ち去っていった。残された3人がそこで気付いたこと、それは京一と涼が2人きりになるということだ。
だが用事があると言ってしまった手前、追いかけるわけにも行かず、京一が変な気を起こさないことを祈って、3人それぞれの場へ向かった。
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