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「いー加減にしろ!!」
バァーンという何かを叩き付ける音と共に、海の怒鳴り声がそこら中に響いた。みんな何があったのかと部屋から覗いている。
『京、ちゃ…今の…』
「海、だな。しかも陸の部屋から」
「お前は正真正銘のバカだ!」
『なっ、何があったんだろ…』
「うーん…とりあえず行ってみよう、な」
うん、と頷いて2人は恐る恐る陸の部屋へと近づいた。大きかった声がさらに大きくなり、中を覗けば仁王立ちしている海がいた。その足元には正座をしている陸が。
こんな中に入っていくのは嫌だったが、陸がこちらに気づいてしまった。仕方なく2人は中へ入る。
『海、くん…どうしたの?』
「はぁ…。このバカ、何やってたと思う?」
『えっお掃除じゃ…』
「違う。漫画を読んでやがった」
『「えっ…サボリ?」』
涼と京一の声が揃った。海はそれに頷くが陸は違うんだと必死に言い訳をしてくる。
「始めはちゃんとやってたんだ。本当だぜ?でもさ、その……つい?止まんなくなっちゃって…」
「言い訳をするな!人がちゃんとやってるときに呑気に漫画なんか読みやがって…」
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