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涼は話を聞いて少し落ち込んだように返事を返した。海たちは少し変なことを言ってしまったと後悔する。

…でも実際にそうなのだ。帰ってくるなと言われる、会えないと言われる。お金持ちが集まる学校だからこそそんな両親が多いのだ。

なら母親は?とも思うのだが、そういった家にはよくあることだ。…不倫…。自分たちの、頑張って生んだ子供とすぐに離れ、仕事の忙しい夫と一緒にいればそうなってしまう。だから親も、子供もひねくれた性格になってしまうのだろう。

そう考えると涼は幸せだ。帰れる家があって、迎えてくれる家族がいて。とても恵まれている。

そして竜也も。どんなに冷たくしていても自分を思ってくれている家族がいる。それを海たちはどこか心の奥で羨ましいと思っていたのだろう。

京「よし、じゃあ終わったら陸の部屋に集合な」

『はーいっ!』

「チッ…めんど」

「に、兄ちゃんそんなこと言わないで助けてくれよ!」

「はいはい」

そういった海は本当にめんどくさそうに返事をして、自分の部屋に戻っていった。

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あきゅろす。
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