22
31日は英士の誕生日なのだが、生憎その日は英士が帰ってしまうためいない。だからこの前こっそりと買っておいたプレゼントを今、渡したのだ。
中身はティーカップ。紅茶をよく飲むといっていた英士のためにとそれを買ったのだ。
「涼大好きだよーっ」
『んわぁ、せんぱ…苦しいです…っ』
「あ゙ー抜け駆け禁止ー!離せよっ」
チュッチュッと顔中にキスを降り落とす英士に身をよじる涼。それに気づいた陸が走ってきた。そこが生徒会専用の階じゃなければ、迷惑極まりない行動だったろう。
そこでまたドタバタとして、ようやく部屋へ帰ることができた。
『…んっ…ふぁぁ…』
翌朝、涼は早い時間に目が覚めた。目を擦りながらベッドから降りようとすると目に入る見覚えのないもの。
(も、もしかしてっ!?)
涼は慌てた様子で包装をといた。そこから出てくる白くてほわほわの手袋。これは涼がサンタさんに頼んでいたものだ。
『っ…!!サ、サンタさんが来てくれたーっ!』
書いておいた手紙がなくなっていたときからもしかしてと思っていたのだが、それでも涼は嬉しそうだ。…と、そこへ涼の大声で起こされた京一がやってきた。
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