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結局陸は借りてきたものを返すことになり、その間に飾り付けをしてしまうことになった。
『綺麗なものばかりですねっ』
「でしょ?でも涼の方が綺麗かな」
『…へへっ、ありがとうございます!』
「ちょっと英士。手伝う気がないなら向こう行っててよ。邪魔」
「え、大地…いつからそんなに冷たくなったのさ」
「今」
「ふっ」
「…誰、今鼻で笑ったの」
「………」
誰も返事をしない。実は海がツリーの反対側から笑ったのだが、それに気づかない英士は気分を悪くしながらソファーにどかっとすわった。
その横に香が座り、楽しそうにみんなを眺めていた。
「子供っぽいが…たまにはいいな」
「たまにっていうか涼がいるとどれも楽しいからね」
「そうだな。残りの時間を楽しまなければ」
「…僕は後1年あるけどね」
その言い方はないだろう。そんな視線を英士に送り、2人はずっと涼を見ていた。
『あっ、もー京ちゃん!』
「え…何?」
『1カ所に全部つけないの』
「…ああ悪い。つい癖で」
『癖?』
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