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「っ…確かに見つかったのは災難でしたがこんなことで諦められるんですか!?」

「かも…しれないね。もう卒業だし」

あのとき英士に見つかったのが相当きているのか、みずきはあれ以来大人しくなった。色々と言われ、この人は本気なんだと気づいた。あんなに楽しそうに笑う英士は、涼が来てからだと気づいた。

「卒業する前に英士様の色んなお顔がみれて…それで僕は幸せ、だな」

「「みずき先輩…」」

しょせんは憧れだったと気づいたみずきは、2人を残して先に戻っていった。

「確かに香様、凄くイキイキしてるんだよねー」

「なっ、真央までそんなこというの?」

これまた今年卒業の香。真央もいくらか諦めはついてきているのだ。これで会えなくなると思ってもそこまで苦しいわけじゃなく、本気で好きだったのかと自分を疑ってしまう。

「ま、どっちにしろあの子は生徒会に入っちゃったからどうにもできないしね」

「それは…」

確かにその通り。生徒会に手を出すほど勇気は持ってない。真央もまたその場を去ったが、吉良だけが納得いかない表情をしていた。

─彼だけは、本気だ。






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あきゅろす。
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