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「涼、あーん」
『あー…んっ。おいしーっ!!』
「涼、こっちは?」
『食べるーvV』
「ほら涼」
『…んっ、ふぉいひーっ』
あちこちから伸びてくる手に翻弄されながらもちゃんと食べていく。次はお返しにと言わんばかりに自分のシチューを一人一人食べさせてあげる。
『美味しいですか?』
「「もちろん、ありがとう」」
こういうとき、みんなと友達になれてよかったと感じてしまう。
なんの他愛もない時間が嬉しくて、涼は結局自分のものはあまり食べられないまま夕食を終えた。…ちなみにみんなが食べている間、食堂中はたくさんのワーキャー声でうるさかったとか。
「なにあれ…まじむかつく」
「大地様は強制されてるだけなんだから」
その様子を影に隠れて見ていた人が3人いた。もちろん親衛隊トップの彼らなのだが、1人の様子がおかしい。あの様子をみても何も言わないのだ。
「みずき先輩…悔しくないんですか!?」
「悔しいよ。でも僕たちが何かすればするほど…あのお方たちは…」
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