2 抱き寄せれたと思ったら耳を甘噛みされた。それに涼がビックリしていると陸が香から涼を奪い返す。仕事組は悔しくて仕方ないようだ。 『もうっ僕は食べ物じゃありません!』 「ククッ…悪かったな。それで涼は何を頼むんだ?」 『僕は…秘密です。サンタさんにしか教えません』 その答えにはさすがに参ってしまった。自分から聞いておいて人には教えない…。無自覚ながら恐ろしい天然振りだ。あわよくばみんなでそれを買ってあげようと思っていたので、何とか聞き出そうと試みた。 『言いたくないのっ!お手紙に書くんだもんっ』 "手紙"、その言葉がみんなを食いつかせた。涼は毎年枕元にサンタへの手紙をかいて置いておくそうだ。それは一週間前までには置かれていて、サンタの使いが取りにくると信じている。 …つまり、今まではパパがそれを盗み取り、プレゼントを与えていたのだ。おかげで未だサンタがいるものだと信じている。 だが今年はそうはいかない。みんなが涼のサンタになろうと誓った日となった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |