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みんなはバラバラになって校内を探し回った。涼がはいれそうな隙間などくまなく探すが見当たらない。

そんな涼は今、寮から出たところだった。部屋に連れてって、そこでやっと演説のことを思い出したのだ。お大事にといって涼は走って学園に戻っている途中である。

─そのとき、学園中に放送が入った。

《浅見涼、浅見涼。もし無事ならすぐに体育館へ来るように》

それは香の声で、焦っているため本当に簡単な内容だった。まだ何もされてないことを祈り、この放送を流したのだ。それを聞きつけた涼はみんなが怒っている顔を思い浮かべ、慌てて体育館へ向かった。

ドキドキしながらそっと扉を開けると、全員が一斉に振り返った。ステージの上にいたみんなは名前を呼びながらこちらへ走ってくる。涼はいささか耳が赤く染まってしまっている。

「「涼っ!!」」

「無事か?何もされてないか?」

「ごめんな、俺がちゃんとついてってやれば…」

みんな口々に心配したと涼に告げる。だけど涼からすれば勝手にいなくなった自分のせいなため、なぜ京一が謝るのか分からないのだ。まず申し訳なさそうにしている京一に、涼は謝った。

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あきゅろす。
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