7 みんなと言うわけではないのだが、もう陸の頭の中にはバカという言葉が渦巻いていた。思考をグルグルさせながら大地から渡されたお茶を飲み干す。…と、そこでやっと涼の助けが入った。 『でも陸ちん物覚えはいいよね』 「だろー!?涼だけだよ俺のこと分かってくれるのは!」 「まぁバカも情報屋として通ってる訳だしね」 「またバカって言ったー!!…でも俺褒められてるのか?」 英士の言葉にまた陸が頭を悩ませ始めた。きっとそこが少し足りない部分なのだろう。そんな陸をほっぽらかしにして、他の人はお茶を楽しんでいた。 『ふぁーっ…やっぱり大地先輩の煎れる紅茶は美味しいです』 涼がお茶を飲みながら言った。…といってももとのお茶ではなく砂糖タップリのものなのだが…。それでも褒められた大地は嬉しそうにしていた。 「まぁね。僕には劣るけどいい腕はしてるよ」 「英士…それ、褒めてくれてるの?」 「…好きにとっていいよ?」 「…ありがとう」 嫌みタップリの英士と大地。どこか顔がひきつっているが、何だかんだで涼が楽しそうなのでそのままになった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |