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南は目を輝かせながら愛を語った。それにつられ涼もへぇ…と目を輝かしていると、どこからか良と南を呼ぶ声が聞こえてくる。
「おい、人が席取ってんだから早く来い……って涼!!」
その人物は文句を言いながら、人ごみをかき分けるように近付いてきた。だが、涼をみるとクールな顔が一転、笑顔になり、走ってきた。
「うおーっ笑ってるー!!!」
「黒田ぁ!!」
「赤西様ぁvV」
「「南ちゃーん」」
「あれ可愛いー抱きてぇ」
初めの一言でその場が騒然となった。どうやら今集まってる人全員注目の的のようだ。だが涼はそんな変な声にもまけない大声で京一を呼び、抱きついた。その光景に周りの人全てが唖然とし、目を奪われている。
「がはっ…よぉ涼。いったい何組になったんだ?」
『ん、2組。京ちゃんは?一緒がよかったのに…』
「俺は5組。俺だって一緒がよかったさ」
まるで2人きりの世界、と言った感じだろうか。何とかその空気に飲み込まれずにいた良が2人に聞く。
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