訪問者 まだ少し納得してないような顔をしたが、涼は自分の中で結論付けたようだ。 ─身は任せて、白いのはセイエキ (でも…セイエキって何だろ…) 何だかんだいってまた涼の中に疑問が出来てしまった。だけど涼は聞くことはせず、ちゃんと髪を乾かしてもらって部屋に帰ることにした。 「一人で平気か?」 『うん。すぐそこだもんっ』 「そっか。おやすみ」 『おやすみたっちゃん』 ちゃんと挨拶をして部屋へ向かう涼。すると自分の部屋の前から立ち去る人影がみえた。誰…?そう思ってそーっと近づいてみれば、その人は涼のよく知っている人だった。 『会長さん!』 「…涼。一人か?」 『はい。今たっちゃんのとこに行ってました。…どうかされたんですか?』 一人でこんな時間にやって来るのは珍しい。一体何があったんだろうと聞けば、ただ会いに来ただけ。昨日のこともあって心配になり、様子を見にきたのだ。 「お前が元気ならそれでいい。それじゃあ…」 『あ、あのっ……今お時間、ありますか?』 「…あるが?」 『良かったら…お茶、出しますよ?』 [*前へ][次へ#] [戻る] |