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そしてみんなが部屋に入ったとき、竜也が口を開いた。
「俺のこと、聞いといて欲しい…」
なぜこんな真っ赤な髪なのか、何が自分を狂わせているのか、その全てを…自分の生い立ちを。
そんなのは重いという人は外に…といったが誰も出て行こうとはしなかった。真剣に聞く体制は出来ていて、涼も竜也の手を握ってこちらをみている。
そして竜也は話始めた……。
「俺…小さいころ親に捨てられたことがあるんだ。何もしてねぇのに…こんな子生まれなきゃよかったってさ。いらないって…さ」
涼の肩がピクッと揺れた。
「だから俺、養子なんだ。…でも正直いやだった。もうこのまま一人で何も感じずにいられたらって思ってたのに…神様はそうはさせてくれなかったんだ。
どんなに時間が経っても生きてる心地がしなくて、これなら死んだ方がましだってずっと思ってた。」
『っ……』
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