3
開け放った扉からこちらを覗く人、英士。息を切らしてみずきを睨みつけている。その後から続々と現れる人々。みずきは顔を真っ青にして尻餅をついてしまった。
「今回のこと、君が仕掛けたんだね…?」
「あの、僕はっ…ただ」
「ただ、何?」
「僕は英士様を愛してるんですっ!それなのにっ」
それなのに相手にしてくれないと泣き出してしまった。それでも英士は睨み続け、言葉も続ける。
「だから何?そりゃあ嬉しいよ、好きになってくれることは。でもだからって涼をこんな目にあわせるのは…違うよね」
「っ…じ、邪魔だったんだもん!この子がいると英士様はこちらを見てくれない…って思って…」
「はぁー…だからってそれで僕が君を相手にすると思ったわけ?」
「っ……」
何も言えない。本当は知っているから…こんなことしたって英士が悲しむだけということを。それでもやはり何かしないと心が落ち着かないのだ。
ただ一言ごめんなさいと謝るみずきをそこに残し、涼たちは生徒会用の寮部屋へ向かった。
─のちに、みずきには一週間の謹慎が言いつけられたとか。
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