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「覚悟、しろよ?」
「ひっ…いやーっ!」
『たっちゃん!!』
間一髪…といった所だろうか。涼が竜也の腕を掴んでその拳を止めた。竜也も涼に一瞬驚いたが、その細い腕を振り払って再び殴りかかろうとする。
『ダメぇーっ!たっちゃん、暴力は駄目!』
「止めんなよ。こいつにもちゃんと教えてやらねぇと…ねー?殴られるとどうなるかって…」
『でも!そしたらたっちゃんも痛いよっ!?』
「………え?」
竜也の動きが止まった。まるで涼が何を言っているのか、よく聞こうとしているようだ。
『殴ったら、痛いでしょ…。たっちゃんも、手とか…心とか』
「こ、ころ…?」
『僕は大丈夫だから…お願い、やめて…』
「っ…涼…」
『ねぇ…やだっ、やだぁぁ…』
「………ごめん」
何とか納まった。竜也は涼を抱き締めてただひたすら謝った。…すると今度はみずきの番。竜也がおさまり、涼がいるのをいいことに手を出してこようとしたのだ。
「あんたなんか…あんたなんかっ!!」
「涼が、どうしたの?」
「っ英士様!?」
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