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「それにしても…陸はよくあんな事知ってたな」
「まぁね♪他にもいろんな事知ってるよ?あっち系の事とか」
「いや、いい」
「んだよケチぃー」
竜也はそんな2人の様子を何も言わず見ていたが、涼は違った。先程からずっと黙り込み、考えごとをしている。多分、食堂について目の前にいる人物にさえ気付いていないだろう。
うーん、と必死に頭を捻らせていると突然目の前が真っ暗になった。
『んわぁ!?』
「可愛いーvV」
二つの声が同時にあがった。誰かが涼のことを抱きしめたらしい。それに気付いた涼は逆に抱きしめ返した。
『分かったよ陸ちん!!抱きたいってこういうことだったんだね!!』
「「「へ?」」」
どうやら涼はずっと"抱きたい"の意味を考えていたらしい。謎がとけてスッキリ、という顔をし、目の前の人を離した。
『あれ?だれ?』
その目の前の人をみて一言。逆に抱き締められて呆然としていた子は、慌てて近くにいた人のところへ走っていき叫んだ。
「みっ、みぃには良だけなんだから!!」
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