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一気に年をとったようにも見え、涼にとってそれが何の意味を持つのか香も英士も何となく分かってしまう。
…もしかしたら監禁されていたことがあるのでは…?だけどそんなことも聞けず、2人は涼をずっと撫でていた。
しばらくは何も言わない時間が続き、そのうち他のみんなが集まってきた。竜也もまだ起きていなく、腕に巻かれた包帯が怪我の凄さを語っている。
「涼君…どお?」
「…全然起きない」
大地が心配そうに駆け寄ったのは涼をずっと見つめる英士だった。涼も心配なのだが、それ以上に英士が精神的にやられているようで、心配でたまらなくなったのだ。
「その子は?」
理事長が竜也に気づいて聞いてきた。
陸「あ、えっと…ちょっと色々ありまして」
「まさか…涼ちゃんのそばで殴り合いとかなかっただろうね!?」
陸「あー…多分ありました」
「…なんてこと…」
話を聞いていくうちに理事長はどんどん険しい顔になっていく。今なら聞けるかもしれない、そう思って香が口を挟んだ。
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