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「いらないんだよ」
そう言って彼、"一"は涼を殴り続ける。それはまだ涼が8歳の時のことだ。
『ごめ…なさっ!お願い、出してっ…』
暗闇に残され、声が枯れるまで叫ぶ。それでも誰も来てくれない。
………誰も………。
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『い……やあぁああっ!!やーーーっ、やーーーっ!』
「っ……涼!」
『やだっ、やだぁーっ!』
泣き叫ぶ涼。体を強ばらせてその場で暴れ、自分を傷つけていく。
…そんな所へもう1人、竜也でない誰かが現れた。彼は涼の目隠しを外して顔を覗き込む。
「涼、涼…」
『やぁぁあぁっ…嫌だっ、出してっ…んっん…』
いくら呼んでもこちらへ戻ってきてくれない涼。落ち着かせるために、と彼はキスをした。酸欠になって頭が落ち着いていく涼。やっと、目の前にいる人を見ることができた。
『んっ、はっふ……会ちょ、さ…んっ……』
こんなときに見ても、もう彼を見間違えない。涼は香の顔を確認すると眠るように堕ちていった。
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