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完全にイカレている竜也。やけにふざけたテンションだと思ったら、今度は背筋が凍るほど低い声で睨みつけてくる。
男は完全に怯えてしまっている。助けを求めてみずきを探すが、いつの間に逃げたのか姿は見当たらない。そのことが分かると今度は涼を盾にしだした。
「き、来てみろ…」
『やあぁあっ…ごめ、なさぁぁっ!ごめ、なさっ…ごめんな、さっ…』
「ふっ…くははっ!!あんたも血ぃ流してみろよ…痛いの大好きだろー?」
いうがいなや竜也は動き出した。涼を盾にしていてもそれは竜也に関係なく、男の服を掴んで投げ捨てる。それだけでも十分男を痛めつけることは出来たのだが、竜也はそこに乗り上がり、男に腕を見せつけた。
「これね、超痛いの。分かる?あんたにこの痛みが分かる?」
「わ、わかります…」
「嘘つけ…ははっ…おらっ、おらっ!」
「ぐっ…がぁっ!!」
馬乗りになってひたすら男を殴る竜也。歯がとれ、血が飛び、男は気を失う。だが竜也はとまらないのだ。血を流しながら、狂ったように笑いながらひたすら殴る。
その音は涼をさらに煽った。見えない分怖くて、昔を思い出して、忘れていたものが蘇ってくる。
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