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─暗い、暗い、怖い。
錯覚してしまう、思い出してしまう。この暗闇と、あの暴力を…。
「あんたのどこがいいんだか!英士様は僕が一番あうのに。こんなにも愛してるのに…!」
『やあぁぁあっ…出してぇっ…!』
「うるさいうるさいうるさい!!…あんたなんか、いなくなればいいのに」
─"お前なんかいなければよかった"
『いっ…やだぁぁぁーっ!!ごめんなさいっ、静かにするからっ…ヒクッ…出してっ!』
目隠しをしていても涙が溢れてくるほど涼は泣いていた。それでもみずきは止まることなく、涼を連れてきた人にヤっちゃってよ…といった。
『出してっ…嫌だーっ!!一、兄ちゃっ…ごめんなさっ……兄ちゃんっ』
「は?何言ってんだこいつ」
「何でもいいからヤっちゃってよ。…もう戻って来れなくなるくらいにね」
「まっ、姫を頂けるんだから俺も文句はねーよ」
そう言ってその人は涼の服を一気に破いた。それでも涼は泣き続ける。その行為が怖いわけではない。むしろ気づいていないと言ってもいいくらい、涼の頭は混乱していた。
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