拉致
─ある日、涼は生徒会室へ向かっていた。ただいつもなら誰かと一緒に行くのだが、今日は1人なのだ。みんなを驚かしたくて、こっそり乗り込もうとした。
でも…出来なかった。生徒会室に向かっている途中、目の前が真っ暗になった。びっくりして、暗いのが怖くて叫ぼうとすれば猿ぐつわをかまされる。
『んーーっ、ンンー!!』
持ち上がる体。暴れればおとなしくさせるために平手が飛んでくる。今の涼には耳だけしか機能していなく、そこから聞こえてくるものは足音と知らない声だけだった。
しばらくの間担がれ、ガラガラという音がしたと思ったら床…マットか何かの上に落とされた。
『ンんっ!!ん゙ーん゙ーっ』
「静かにしろよ。可愛い浅見涼君?」
初めて聞く声。穏やかに喋っているけどどこか怒りを含んでいて、涼は震え上がる。その人は涼の口に噛ませているものをとって、髪の毛を掴んだ。
『やあぁ!いたっ…や、何でっ、誰?!』
「ああ…君は僕のこと知らないの?僕はあんたのこと、こんなにも憎んでるのに!」
『っ…!!や…ごめ、なさっ…やだぁぁぁ…』
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