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『海くん海くん』

「なんだ?」

『あの子にはぎゅってしてあげないの?』

「……は?」

涼が可愛らしく首を傾げながら聞いてきた。先ほど抱いてといっていた子のことだろう。しかしもちろん海にはそんなことをやってやるつもりはない。海はいいんだ、といって空いてる席に座った。

『じゃあさ、僕はなんでおかず?』

「………気にするな」

『えー気になる!僕食べられちゃうのー!?』

「俺なら美味しくいただくけどな」

『たっちゃん!』
「竜也…」

赤い髪の竜也がいきなり現れた。涼の向かいの席に座ってニヤニヤと涼をみている。

「あんなこと大声で言っちゃいけないなー」

『あんなこと?』

「僕を食べてくれーっていってるようだ」

先ほどの涼の会話。大声で食堂にいるほとんどが聞いていたようだ。竜也が入ってきたときから姫姫うるさかった。それをきいた涼は顔を赤らめて恥ずかしそうに俯いた。



「おい、黒田が来たぜ」
「うっはー今日も美人だなぁ」
「抱かせろー!!」

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