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「いーやーらー!涼は俺のだもんっ」
「いい加減にしろ」
『…陸ちん…お酒臭い…』
「…は?酒?」
涼が嫌そうに陸を押し返す。それでも陸は上機嫌で、どうやら本当に酔っているらしい。海が何とか話を聞き出せば部活の先輩たちと呑んだとか。
それでテンションがおかしかったのだ。
「りょー…俺チョー体あちぃ。な、服脱がして」
『え…僕?』
「バカ。部屋いって自分で脱げ」
「なに…海が脱がしてくれんの…?」
トロンとした目で涼に迫っていた陸だが、海の声が聞こえるとターゲットを変えてきた。双子、自分と同じ顔がこんなことするのは耐えきれなかったのだろう。海は、
「そんなに慰めて欲しかったら難波先生のとこに行け!」
といって陸を部屋から追い出した。その後陸がどうなったのか知るものは、本人しかいない。
『陸ちん…なんか凄かったね』
「…ほっておけ。バカは頭を冷やすのが一番だ」
『んもー海くん陸ちんに冷たすぎっ。服ぐらい脱がせてあげればよかったのに…』
「あ、いや…」
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