12 そして3回目の試合だ。再び縄の横につき、引き合いが始まった。 『っ…やぁー!』 相手は強い。2組はあっという間に引きずられていき、涼の足が線を越そうとしていた。だがそのことに気づいたクラスメートたちは、再び全力を出して引き戻す。 その繰り返しがほんの数分続いた。 ─パン! 『ぁ…』 負けた。やはり相手の力には勝てず、涼の足は線を越してしまったのだ。とても悔しそうにしている。 「大丈夫だ。次の騎馬戦で巻き返す」 『海くん……。うん、頑張ってね!』 「ああ」 海が慰め、残りの試合をのんびり見ることにした。試合はどんどん流れ、いよいよ決勝戦。どのクラスが残っているかとみれば、先ほど涼たちのクラスに勝った所と久のいるクラスだった。 珍しく久が出ているかと思えば、ただ先頭に立っているだけ。適当に綱を持ってめんどくさそうにしている。そんなもんでいいのかと思うが、これだけで十分効果てきめんなのだ。 あいてのクラスは怯んでしまい、あっという間にかたはついた。そしてそのまま騎馬戦に移ろう…と言うときだ。学園の校門の辺りが騒がしくなった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |