6 だけど人が食べているものほど美味しそうに見えるもの。京一が食べていると涼がじーっと見て来た。 「どした?」 『ぅ、あ、何でもないっ』 「?」 何だろうと思って最後の一切れを食べようとすると…、 『うぅ…』 と涼が小さく唸った。それでやっと気づいた京一は串からお肉を外し、涼の口元へ近づけた。 「ほれ、あーん」 『いいのっ?』 「当たり前だろ」 『わーいっ!あー…んっvV』 パクッと可愛らしい音をたてて京一の指から食べる姿は、子犬を見ているようでとても可愛い。しかも指が汚れたね、といってペロペロ舐めてくるのだ。…その姿がどうしても指フェ…を思い出してしまう。 「っ…りょ、う」 『んぇっ?あ゙!!もっとベタベタになっちゃった!』 涼の唾液でベタベタになった指。それを今度は浴衣で拭こうとしたので京一はそれを止めさせ、自分のハンカチで手を拭いた。 『ハンカチ持ってたんだね』 「あ、まぁ」 『…余計なこと、しちゃったね』 「そんなことねぇよ。ありがとう」 『…うん!』 [*前へ][次へ#] [戻る] |