12
「後少しで終わりだぜーっ!」
『うぅ…』
どんなに陸が盛り上げても涼のテンションはあがらない。だからもうお化けとか無視をして足早に出口へ向かっていたそのときだ。
─「殺してやるー」
「おっわ…」
『ひっ!?やぁぁあ゙!!うわーっ』
最後のお化けが飛び出してきた。真っ白な着物、白装束を身にまとった黒髪の女のお化け。その手には偽物の包丁が握られている。
「うおぉっ!?涼、落ち着け!」
抱き上げている陸の上で暴れる涼。そのまま持ち上げているには動きすぎなため、陸が床へ降ろす。と、
「涼…?」
『ふっ…え?京、ちゃ…?』
どこからか京一の声が。見知っている人の声がし、辺りを見渡すがなかなか見つからない。それが余計に怖くなって陸に泣きつく。
「おい、涼。よく見ろって」
『うっうっ…ど、こぉ?』
もう一度京一を探すと女のお化けがこう言ってきた。
「俺だよ、俺」
『ふぇ…っ?京ちゃん?』
最後に出てきたお化けは京一だった。そんなに分かりづらいかと言いながら、後ろがつまっているので外にでる。
血糊がついたり化粧はしているが明るい場所でみると京一そのものだ。女の格好をしていて、美人さが際だっている。
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