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『凄いすごーい!本物そっくりだね』
「ああ。ここまで来ると芸術だな…」
『だって森の美術館だもんっ』
「まぁ…そうだな」
美術館だから芸術品がある。そんなことを涼に言われ、海は苦笑いをした。
2人はそこを出てさらに見て回っていく。…と、今度は海の美術館なるものを発見した。
『わっ、今度は海だって!』
「これは…」
明らか森に対抗して展示された教室。どっちが先にやりだしたのかは知らないが、こちらも海の生物を再現していた。
『わぁー…海の中にいるみたーい…』
クラスの中は真っ青で、所々から光が差し込んでいる。天井から吊り下げられた魚や、下に置いてある魚を見ていると海の中なのではと錯覚してしまう。
「じゃあ息ができなくなるな」
なんて冗談を海が言うと、
『えっ嘘!?わ、わ…息出来なくなっちゃうの!?』
と涼が少々本気にしだした。まさかそこまで信じてくれると思っても見なかったので、海はさらにイタズラを続ける。
「そん時は俺が人工呼吸してやるよ」
『ほんとっ?じゃあ大丈夫だね』
「ああ、だから俺が溺れたら涼も助けてくれよ」
『うんっ!助けるね』
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