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『京ちゃ、京ちゃ、美味しいね!!』
「あぁ、うまいな。…ほらもっと落ち着いて食えよ」
そう言って京一は涼の頬についたケチャップをすくい上げ、ペロッと舐めた。
『うん///ごめんなさい』
そんな行動を目の前で見せつけられた涼は、顔を真っ赤にしながらオムライスを食べ続ける。
「あぁそうだ…。副会長のことなんだけどさ、あんまり怒らないでやってな?」
京一がふと、先ほどの英士のことを話し始めた。だが、涼にはなんのことだかわかっていない。ビックリしたし、少し怖かったけど怒る理由がどこにもないのだ。涼は首をコテンと傾げ、京一をみつめた。
「っ…あーえっと、副会長な、二重人格で有名な人なんだ」
涼の可愛らしい姿に耐えながら話を続ける。
『二重…人格?』
「そ。たまに人が変わったようになっちゃうんだ。でも一種の病気なもんだからさ、許してあげてな?普段は凄いいい人だし」
『うん…。そっか、病気だったんだ英士先輩…』
涼の手が止まった。何か思い詰めるように黙り込んでしまう。
「そんなに深く考えんなよ。ご飯、冷めちまうぞ」
『そ…だね。うん!ありがとう京ちゃん!!』
元気を無くしてしまった涼に必死に言葉をかける。なんとかその思いが吹っ切れたのか、ニコーッと笑ってまたオムライスを食べ始めた。それをみた京一もほっとした様子で食べるのを再開した。
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