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学園祭は一般公開も行われている。警備員を巡回させ、一般の人に手を出したら即退学という条件つきで呼び込むのだ。そのお客さんの大体は家族で、涼は陸のうちは誰がくるのかときいた。
「家はー…来ないね多分。仕事忙しいっつってたしな」
『そっかぁ。僕もなんだ』
電話先で行きたいと叫んでいたパパ。だが仕事があり来れないとのことだ。それはママも十夜も同じで大和も来れない。会いたかったなーと残念がる涼とは逆に竜也は嫌そうな顔をした。
「家は来る…」
『いーなーっ』
「そうでもない」
義理の母。嫌いではない。養子の自分をよく面倒見てくれるいい人なのだが、いい人すぎてどうしていいか分からないのだ。だから出来れば関わりたくない、と。
押し黙ってしまった竜也に気を使って、みんなは他の話を始めた。
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