準備 『ねっね、陸ちん』 「ん?」 『京ちゃんのクラス、見に行こ?』 まだちゃんと見てなかったから。そう言って先ほどの偵察を続けようとする涼に、陸はOKしようとした。…だが、海はそうさせてくれなかった。 「駄目だ。どうしてもというなら俺がいく」 『ん?海くんも一緒に行くの?』 「ちがう。俺"と"行くんだ。こいつには任せられん」 『?』 目を離した罰。しばらくの間陸は涼と2人きりでは行動をさせてはもらえなかった。 学園祭も後2日と迫った今日。涼たちのクラスは教室に人工芝を敷き詰めていた。目の前に広がる緑に涼は思いっきり寝っ転がる。 『緑の匂いするねっ』 「な。風鈴もあって森の音も流して、最高だー!」 『だーっ』 狭い教室に2人で寝転がって伸びをする。それを可愛いと思って見ている人と、邪魔なんだよと思っている人がいるが2人には関係ないようだ。そのままの状態で話を始めた。 『学園祭、楽しみだねっ』 「ああ。いっぱい楽しもうな」 『うんっ!あ、陸ちんは誰か来るの?』 [*前へ][次へ#] [戻る] |