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「それが…見失っちまって…」
「な!?お前…なんでちゃんと見てなかったんだ!涼を狙ってる奴はたくさんいるんだ」
「分かってるよ!!…分かってる…」
海に胸ぐらを掴まれ怒鳴られる。今や涼は学園中の的なのだ。ヤってみたいという輩や、気に食わないという親衛隊。そんなのがよく涼を狙っているのだ。もしこのまま見つからなければ…。
「くそっ!探しにいく」
「お、俺もいく」
「みぃもっ」
「…すまねぇ…」
「謝る位なら初めからこんなことさせるな」
竜也も南も探しにいくと言って立ち上がった。しょぼくれている陸を連れ廊下にでると、先の方がいささか騒がしいことに気づく。
「かっこいー」
「誰…?」
「あの背って確か…」
そんな声は次第にクラスに近づいて来、人ごみが避けたと思ったら元太をささえている涼が現れた。
「「涼!!」」
『…ん?あ、つきましたよ先輩』
双子の呼びかけに顔をあげた涼はやっと自分のクラスに着いたことに気づいたようで、元太に伝える。目がぼやけている元太は近付いてくる金髪2人を双子だと理解し、涼を離す。
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