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「な、な。他のクラスの偵察行かね?」
陸がいきなりこう言ってきた。海と竜也はめんどくさがったが、いつも通り涼は楽しそうに笑っている。行く気満々だ。
だから陸は涼だけをつれ、他のクラスを見に行くことになった。歩いている振りをして隣のクラスから順番にみていく。……と、そのうち5組にたどり着いた。
「お、京一のクラス真っ暗だな」
『ねっ。何か…怖い』
中を見せないためか、もうそこまで準備が終わっているのかは分からないが、暗幕で中は真っ暗だ。陸がちょっと覗いてやろうと試みているとき、涼は廊下の先にある人を見つけた。すぐそこだからと陸に何も言わず、そこを離れる。
角を曲がって行ってしまう彼に追いつこうと必死に人の間をくぐり抜け、声をかけようとした。だが涼がかける前に違う人が声をかけてしまう。各親衛隊トップのみずき、真央、吉良だ。
「ちょっと、顔貸してくんない?」
「え、いや…」
「何?口答えすんの?」
「せやかて…仕事が…」
「いいから来いよ」
あまりよろしくない雰囲気。3人の子に無理やり連れて行かれる元太に不審を抱いた涼は跡をつけていった。
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