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食堂にはちらほらと人がいた。まだ休み中だからか、お昼より少し時間が遅いからかは定かではないが、とても空いている方だろう。
だが空いていると言ってもざっと見100人はいる。それだけの人がいれば2人か入ってきたことに誰かが気付いてしまう。
「うおー黒田ぁ!!今日こそ抱かせろー!!」
「俺にしとけ黒田!」
「ちょっ…黒田の横にいんの誰だよ?!」
「えっ…可愛くねぇ!?」
「ちっちぇー抱きてぇ」
2人が食堂に入った途端男の歓声があがった。京一はタチなのに、綺麗な顔立ちのせいでネコに見られがちだ。だからそれを知らない奴は毎日京一を抱こうと必死になっている。
…まぁ中にはタチだと知っていて抱こうとするやつもいるが。
京一は色んなことに驚いている涼に食堂の説明をしようとした…が、周りがうるさく声がうまく届かない。しかも先程から涼を抱きたい、などと言ってる奴や、ニヤニヤしながら近付いてくる奴もいる。さすがに耐えきれなくなった京一は声を張り上げた。
「お前らうるさいんだよ!!まともに飯も食えないじゃないか!」
普段何を言われても涼しい顔をしてシカトをしているため、怒鳴った途端そこにいた全員が驚き、黙り込む。
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