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『いっ…た…』


まだ荷解きがされていないガランとした部屋に涼の声が響いた。英士は涼の手を取り、涼の頭の上に組み伏せる。


「ねぇ…僕は誰?」

『へぇっ?…英士…先輩…?』


突然の訳の分からない質問に答える涼。ただただ手を離して欲しくて、普通に話をして欲しくて、一生懸命目で訴える。そんな姿は英士を煽るものでしかないのに。


「あぁ…そんな顔しても駄目だよ。てかむしろ泣きなよ。ははっ、ねぇ涼はさ、僕のことどういう風に見てるの?ねぇ涼」

『ど、どうって…優しいです。今はちょっとビックリしてますけど…』

「優しい?今の僕でも?まだあってから少ししかたってないのに?」


これは…いわゆる言葉責めだ。涼も半泣き状態になっている。


『あぅ…そうなんですけど…でも優しいんです!!僕がそう決めました!』

「は?何その自分定義。あーやっぱ涼はお馬鹿さんなのかな?」

『うーバカじゃないもんっ!!』


自分の発言がバカにされたことに気づくと、涼は大声で否定した。それに伴って涙も溢れてくる。

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あきゅろす。
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