寮
「よし!!じゃあ涼ちゃん、分からないことがあったら高岡君に聞きなさい」
『はい!!英士先輩よろしくです!!』
敬礼って…涼可愛すぎるよ。頭はいいのに常識とか無いのかな?
「じゃあ…行こうか」
そして僕たちは理事長室を後にした。
* * *
『ねっねっ、英士先輩はやっぱ頭いいんですね!おじちゃんにも気に入られてるし』
今はエレベーターで涼の部屋に向かってる途中。最後の別れなんじゃないかと思わせるような挨拶の後、やっと乗り込めたエレベーターで涼が目をキラキラさせながら英士にこう言った。
「まぁ…生徒会役員は頭のいい人達で成り立ってるしね」
『ほぉー。みなさんにもあってみたいです!!』
(止めて下さい…。会長に食べられちゃいますよ)
『やっぱみなさんお優しいんですかね?』
「ん?何で?」
『だって英士先輩凄く優しいんですもん!!』
──カチッ
その瞬間英士の中で何かのスイッチが入った。まるで、煌々とついていた明かりが消えるかのように。
なぜかそれから一言も喋らずに4階につき、エレベーターをおりた。涼は何か悪いことを言ってしまったんではないかと不安げだ。だけど英士はただただ、涼の手を引っ張っていく。
『あのっ…英士先輩?手…痛いです』
「…………」
英士は何も言わずに涼の部屋にはいっていき、備え付けのベッドに涼を投げつけた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!