[通常モード] [URL送信]
誕生日会
そして当日。

「でもさぁ、まさか僕たちがあの赤いのを祝うとは思わなかったよね」

「ああ。涼がいなければ無かったな」

一足早く集まっていた英士と香がこんな会話をしていた。生徒会以外とは関わりを持たなかったし、自分たちで誕生日会をするなんてことは無かった。涼がいなければみんなは出会わなかったのだ。

「あ、おはようございます」

そんな所へ大地がやってきた。元太も一緒だ。よくよく考えればこの2人だってこういった友達を持つのは始めてだろう。

病気がちで遊びに誘われることの無かった大地と、今まで1人だった元太。それに今来た京一だって良達以外と遊ぶ事など無かったのだ。

「ねぇ黒いのさ、荷物多くない?」

「…まぁ…そうですね」

「何で?」

「何でもいいじゃないですか」

そう言って京一は無理やり会話を終わらせた。…泊まるため、とは知られたくないのだ。今言えばみんな何を言い出すか分かったもんじゃない。だからあえて分かるまで黙っていることにした。

[*前へ][次へ#]

48/123ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!