3
「あり、がとう」
『へへっ、きれーですよねっ』
「うん。…?戻らなくていいの?」
『はいっ!ここでお城を作るんです』
ザクザクと砂を掘り起こし、少しずつ固めていく。それを大地と元太が手伝いながらやっていくと、小さなものだがお城ができた。
香「ほぉ、うまいな」
『僕もっと貝殻拾ってきますっ』
飾り付けをしようとまた海の方へ走っていく涼。すると入れ替わりに陸がやってきた。
「あ゙ーみどぅー」
「あはは、脱水症にならないようにね」
大地に渡された水をゴクゴク飲んでいるときだ。英士が後ろからボールを思いっきり投げてきた。
「ぶっ!?…ぐおっ…?!」
水を吹き出し、陸はそのままバランスを崩して倒れ込んだ。──あの砂のお城の上に。
「ペッ、砂入ったー」
「陸君…それ」
いち早く気づいた大地が今はもうない砂のお城を指差した。だが陸は何がなんだか分からないと言う感じで砂を吐き出している。だからちゃんと教えてあげようとしたそのときだ。
『大地せんぱーいっ…あ、陸ちんもいる!!』
涼が大量の貝殻を持って戻ってきた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!