7 「そうか!友達か!!うんうん……で?手出してないよね?」 握手をして海の耳元できいた。パパもそこがゲイ、バイが多いと知っているのでやはり気になるようだ。そこで海が何も無いことを伝えると、ホッとしたように涼のもとへ戻っていった。 「それでは…私は失礼します。涼、またな」 『うんっ、バイバーイ』 海がパパに頭を下げ、涼に見送られながら帰って行った。その姿をみていたパパが、 「しっかりした子だな」 と涼に言った。 『うん。凄くね、落ち着いてるの』 「そうか。いい友達だな」 『えへへーっ』 海の姿勢はパパに好印象を与えた。初めてあう涼の友達。正直変なのだったらもう二度と合わせない位の覚悟でいたのだ。顔合わせが海でよかったのかもしれない。 「でも…金髪か…」 「あっれー?海じゃん。出かけてたんだ」 「まぁな」 海が家に帰ると外でドリブルの練習をしていた陸と鉢合わせた。 「なんか…機嫌よくね?」 「そうか?そう言うお前こそいいことあったんじゃないのか?」 「は?ねーし。これからだし」 「あ、そ」 「あっ、ひどっ!兄ちゃんもっと興味持ってよー」 「興味などない」 そこで海は切り捨てた。平静を装っていてもそこは双子。お互いの気持ちが分かってしまうようで、2人してデートがバレないかハラハラしていた……。 そう、陸も涼とのデートを約束していたのだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |