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「美味そうだな」

目の前に広げられたものをみて海がそう言った。可愛く巻かれたサンドイッチにたこさんウインナー。いい具合に焦げ目のついた卵焼きやサラダまである。

『ちょっとだけママに手伝ってもらったんだけど…』

と、涼が心配そうに聞いてくる。

(ああ、味か)

海はサンドイッチを手に取り一口食べた。柔らかく、でもしっかりとした歯応えのあるそれはどのサンドイッチよりも美味しい。

「…うまい。本当に美味しいよ、涼」

『よかったぁー…。ふふっ、いーっぱい食べてね海くん』

飛びっきりの笑顔で言ってくれた涼はまるで新妻のようだ。海はそんな事を思いながら、そのほとんどを食べてしまった。涼の手料理なら限界はない、という感じだ。

そしてお腹も膨れたところでまた2人は園内をまわった。先ほどは見れなかったものを、時間をかけて見ていく。……と、ここでようやくあの動物の所へついた。

『ぱっ…パンダー!!可愛いーっ』

まだ産まれて間もないであろう赤ちゃんパンダが公開されていた。他にも何頭かのパンダがいて、目を輝かせている。

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