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『わ、みてみて海くん!トラさんにライオンさん!』
─ガオォッ!!
『んひゃっ!?…びっくりしたー…』
トラが吠えた瞬間、涼は海に抱きついた。海はもうトラどころではない。
『わぁーゾウさんっ!!ぞーおさんぞーおさん、おーはなが長いのねっ♪』
体を揺らしながら歌う涼に、海はもうゾウどころではない。
『はっ、アライグマだっ!…わー立った立った!!』
飛び跳ね回る涼に、海はアライグマどころではない。
一つ一つ動物を見る度に可愛い反応を示す涼に海はもうメロメロ状態だ。現にどの動物を見てきたのか覚えてない。
……と、ここで12時を告げる可愛らしい音楽がなった。まだ見て回るかそれともお昼にするかと聞くと、
『お昼ー!僕お腹空いちゃった』
という答えが返ってきた。
「じゃあ…何か買って食べような」
『あ、あのね、僕作ってきたのっ』
「え…?」
ほら、と言って大きなバスケットを見せてきた。朝から何だろうと気になっていたのだが、それは涼の手作り弁当。2人は場所取りをして食べることにした。
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