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「あらやだ涼ちゃんじゃない。フゥ…よかったわー…ハァッ」

「こんにちは」

『こんにちはーっ』

この犬、ジョンの飼い主隣のおばさんは今息を整えるのに必死だ。とても恰幅のいい気さくな人で、涼が大好きな人の1人だ。

「急に走り出したと思ったら…本当に涼ちゃんが好きなのね」

「ワンッ!ハッハッ」

『僕もジョンに会いたかったよっ』

久しぶりの再会で嬉しいのか、ジョンは遊んでとせがんできた。結局パパは忘れ去られ、泥だらけになるまで遊んでいた。

『あぅー…服汚れちゃった…』

「はは、洗えば落ちるさ」

『うん。でもこれ…もらったやつなのに』

……。

「誰に!?」

『んわぁ?!』

パパが涼の肩を掴み、大きく揺さぶった。初めてみる服だと思っていたらもらった?誰に、とか何で、とか色々疑問が出て来てひたすら涼に問い詰める。そんなパパが怖かったのか少しオドオドしながら、

『えと、英士先輩に…この前…』

と答えた。知り合いに、ということが分かりとりあえず揺さぶるのをやめ、今度はちょっとしたお説教を始めた。

「そう言うことはちゃんと言わなきゃダメだろ!」

『っ…ごめ、なさ…』

「え、ああ…泣かなくていいんだ。パパが悪かった!言い過ぎた!パパがイケナイ子!だからな、もう泣くな」

そう言って目尻にキスを落とす。

『んっ…パパは、いけなくないよ』

「ありがとう。今度、連れてきなさい。お礼をしよう」

『うんっ』

大きく頷いた小さなチワワに、パパは頭をなでなでしながら家に帰った。家に入って涼の姿をみて"パパに"ママがキレたのは言うまでもない。

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