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「でっ!?…誰だうちの涼ちゃんをたぶらかす奴はー!!」

『パパッ!…たぶらかすってなぁに?』

そんなことはいいんだよーと簡単に流されてしまうが、パパは流れていってくれなかった。

「じゃあさ、今日はパパとデートしよう!」

『パパと!?行くーっ』

とろけてしまいそうな笑顔で了承を得たパパは、鼻血を出しながら出かける準備を始めた。と言っても服を着替え、小銭を持つだけなのだが。

ってことでやって来ました"みんなの広場"。ここには青々とした芝が広がる野原、遊具が充実した公園、ドッグランが揃っている。昔からよく散歩としてここに来ているのだ。

『あつーいっ!でも風が気持ちーっ!』

「転ぶなよー」

広場に入るなり走り出した涼。その後をパパが笑いながら追いかけるが、予想していた通り涼が転けた。

『っう…痛、い。ふぇ…』

「ああっ、走るからだろ。ほら、痛いの痛いの飛んでけー!!」

涼が打った膝に手を当てながらおまじないをかけるパパ。だがよほど痛かったのか、まだ泣き続けている。"あっち"のおまじないを…と思い、顔を近づけたとき、

「ワンッ」

という鳴き声と共に犬の舌が涼の涙を拭った。

『にっ!?ふははっ、くすぐっ…た』

「ワンワンッ」

すっかり泣き止んだ涼。今度は犬と戯れ始めた。すると、犬が来た方から飼い主が走ってくる。

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